こうもり


 窓を開けた。とたんに黒いモノが入ってきた。
法子は目の前で変身していく黒いモノをただキョトンと見ていた。
その黒いモノがが吸血鬼とわかった時、法子はキャーと悲鳴を上げ、気を失ってしまった。
吸血鬼は、キバを剥き出してほくそえんだ。

 次の日の朝、ある洞窟で子供のコウモリが叱られていた。
「うまくいったんだよ、女の子、気絶したんだ」
親のコウモリが呆れて言った。
「だっておまえ、血を吸うのを忘れたんだろ?」


短編掌編