おばけ


 その夜、啓子が目を覚ました時、人の気配がした。
部屋を見回したが誰もいない。
(気のせいかな?)
啓子はベッドに横になった。
すると、ちょうど真上に、白い何かボヤッとしたモノが浮いていた。
(なんだろう?)
そのうちはっきり見えてきた。子供のようだ。
(おばけ?)
啓子は怖くなって布団を頭からかぶった。
その子供は悲しそうな顔で天井をすり抜けていった。

 子供は、空に着くと神様に泣きついた。
「ボク、天使でいる自信をなくしました……」


短編掌編