天敵
奴が鎌首をもたげ、大きな口から咆哮が響く。
今日もまた奴が現れた。今度こそ決着をつけてやる。
まずは少し間を取り、体制を低くして様子をうかがう。
奴は気にする様子もなく、地を這うように前進してきた。
僕はギリギリのところで右に飛び、奴の最初の攻撃を避ける。
今日の奴は動きがいつもより素早い。
鼻歌でも聞こえてきそうな調子の良さだ。
だが、今日はこっちにも打つ手がある。
奴が僕の分身に気を取られている隙に、
後ろに回って攻撃を仕掛けるのだ。
よし、今だっ!!
「ジャック! 掃除の邪魔しちゃいけません!!」