レイシャルメモリー後刻
第13話 その輝きは永遠に 8


 そんなモノを並べながら、フォースは幾分引きつった表情をしている。
「や、フォースの考えている通り、違うと思うぞ?」
「やっぱりか。行きたくねぇ」
 フォースは目の前にある棚に突っ伏し、顔だけ上げる。
「……グレイ? 顔色が悪いんじゃ?」
 グレイが思わず顔に手をやった時、奥のドアからタスリルが出てきた。
「おや、二人連れで」
 その言葉に、フォースは怪訝そうな顔をしているが、グレイはヤーラが居るのだろうと納得した。
「そのことでお話しがあるんですが」
「いいよ。ちょっとそこで待っておいで」
 奥に戻りかけて、タスリルはフォースに向き直った。
「その棚の中身、覚えておいてくれるかい? しっかり元に戻したいんだよ」
「これ? 中が軽いから」
 フォースが引き出しを開けると、柔らかそうな布やら紙やらが詰めてある。
「こうやって中身が動かないようにして、引き出しが開かないように縄をかけて、一度に運ぶってことで」
 タスリルは、いつもより少しだけ見開いていた目を細めた。
「変なとこで役立つ子だね」
「褒め方間違えてないか?」
 フォースの言葉に、タスリルは朗笑しながら奥の部屋に入っていく。
「リディアは元気にしてる?」
 二人連れの意味を聞かれる前に、グレイは先陣を切った。フォースは一瞬虚を突かれたような顔をしたが、すぐに笑みを浮かべる。
「ああ、元気だよ。あとは出産を待つだけだそうだ」
「よかった。アルトスさんもジェイさんもイージスさんも来ていないから、もしかして悪いのかと心配したよ」
 グレイの言葉に、フォースは縄に手を伸ばしながら苦笑した。
「心配なら軍の一つでも付ければいいとか言われて呆れたはずだったのに、テグゼルの隊も含めて上から四人三つの隊を付けてきちまった」
 グレイは思わず吹き出しながら、笑いを押し込める。

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